代表 伊勢谷が初めて語る「会社とメンバーの存在」Fine (2月号続編)

NATURAL LIFE OF CITY & BEACH!をテーマに、街や海でアクティブに過ごす大人に向けたファッションや、サスティナブルなライフスタイルを提案する雑誌Fineが、今年で創刊40周年を迎えます。

対して「人類が地球に生き残るために」を理念に掲げ、今年で10期を迎える株式会社リバースプロジェクト。

両社の共通項を探りながらもリバースプロジェクトの活動を発信する本連載が開始してから、現在発売中の2月号でなんと32回目を迎えます。

 

Fine2月号では、代表の伊勢谷、龜石と3名の社員の率直な対談を掲載していますが、そこには、本誌では掲載しきれなかった続きがありました。

リバースプロジェクトメンバーが本音で話す、貴重な対談の後編をここでご紹介します。

 


リバースプロジェクトが10期目を迎えて思うこと


龜石
リバースプロジェクトが10期目を迎えた今、これまではそれぞれの持つ個の力に頼っていた部分を組織化し、社内のメンバーを含めた各々の役割を明確にしていきたいということを(本誌の中で)先ほども話したよね。
ただ、そのような仕組みを整えても、その中で責任を全うできるのであれば、自由さはこれまで同様に大切にしていきたいと思う。
というのも、リバースプロジェクトはまだこれだけの人数で動かしている会社。だからこそ、これまでは強制しなくとも何かあればすぐにみんなが協力できる体制だった。
今後も、急激に人数が増えることはないと思うけれど、社員が増えてもその部分は今のままであり続けたいなと。
伊勢谷
確かにそうだと思う。
僕らはリバースプロジェクトを続けてきて、さまざまな経験をしてきたけど、それは決していいことばかりではなく、個人的にはそれらの経験をとおして、“人間の癖”も見えてきたんだよね。
僕の言う“人間の癖”とは、すなわち、今日に至るまでの人間の進化により作り上げられた“人間の考え方”ということ。リバースプロジェクトを立ち上げ、それを続けるというアクションを起こしたからこそ、見えてきたものでもあると思うんだ。
だからこそ、ここからの10年はビジネスとしてもう少しインパクトのある数字を出したい。そう考えると、今まで僕がやってきた10年と、今後の10年は違ってくるはずだから。
社員みんなの力でもっとソーシャルインパクトを創り出すために、それぞれがこの社会でどのように自分の役割や責任を全うするか、期待しているよ。
けれども、みんなにはそれぞれキャラクターがあるわけだから、それは龜石の言うように自由でなくてはならないとも思っている。イノベーションを起こすには、実行して仮に失敗したとしても、また次を創っていけばいいと思うから、とにかく最終的に結果を出すことに執着してくれればいいかな。

オリジナル商品の開発に向けて


関根
先ほどの話にもあったように、2018年は会社の仕組みをつくっていかなければいけないと僕も思っています。特に、採用についても。
伊勢谷
たしかに。僕の見えている景色から考えると、採用の部分だけではなく、売り上げも、セールスの部分でもそう思う。僕自身が社内にずっと居れないから、今後は僕が物理的な中心地としてコンスタントに対応できるようにする。何が今の問題か、しっかり僕が吸い上げることができ、信号を送っていくことができるシステムをつくる。まあ、普通すぎる話だけどね(笑)。
龜石
伊勢谷の言うシステムは、準備期間として昨年11月から導入しているし、今年からはプロジェクトごとの数字がダイレクトに伊勢谷に見えてくるんじゃないかな。
そのようになったら、そこからは伊勢谷のクリエイティブで瞬発的な、我々が考えもしなかったアイデアに期待したい。それがリバースの財産であり強みだから。そのために、もっともっと会社としても強くならないとね。
大釜はストアの代表として、今年はどういう年にしたい?
大釜
僕は代表としてさまざまなことにトライしながら、“消費の選択”についての価値観を広めるためにできることをやっていきたいです。それをどう表現すればいいか試行錯誤していますが、オリジナル商品の開発はその一つの答えであると思っています。
龜石
それは大事だね。僕が20代だった1990年代は、ファストファッションもインターネットもなかった時代だけど、今のファッション市場は当時の半分以下。とはいえ、市場はある。そこでは、我々が得意なもの、我々にしか打ち出せないものが価値を生むと思うんだ。
これからの時代はそういう意味・意義があるものが勝ち残っていくと信じているし、それがリバースプロジェクトとしてできることであれば挑戦していきたい。それを具現化できるのが大釜のポジションだから、ぜひ頑張ってほしいな。
伊勢谷
今までよりもっと精査して、製作できる商品をもう少し増やしてもいいかもしれないね。でも龜石の言うとおり、企業価値についても時代が違うから、昔のやり方は参考にならないとも思う。洋服の値段のアベレージも、社会での洋服に対する価値観も違うからね。
龜石
そうそう。ただ、昔と仕組みは変わってくるけれど、クリエイティブという部分が必要なのは昔も今も同じだと思う。素材や形をどうするか、というような創造的な部分が重要であることは変わらないからこそ、優秀なアーティストやデザイナー、そして、伊勢谷がいるリバースプロジェクトは強い。優秀なクリエイティブを探すのはなかなか難しいからね。
極論を言えば、僕らが有名デザイナーとのコラボや、さまざまな地域や地方の伝統産業などとつながることができてきたのも、リバースならでは。武器はいろいろある。それを大釜なりに利用して、限られたなかでもできる仕組みをつくっていってほしいんだ。

俳優・伊勢谷友介ではなく
経営者・伊勢谷友介としての思い


伊勢谷
これからの僕の人生をどうやって使い倒すかを考えたうえで、今の会社の規模でソーシャルインパクトを出すことを目標にすると、本当にまだまだ足りない。実行したことが社会的価値観になり信用になっていくから、リバースプロジェクトはやっとスタートラインに立ったようなものなのかな。
会社を立ち上げた30歳ぐらいのとき、僕自身の存在を利用することで、「もっと巨大な民衆の意識の変化がおきるのでは?」と映画のような夢物語を描いていた。
もちろん、それを信じるパワーがあったからこそ、リバースを立ち上げられた。けれど、正直、想像してたよりも甘くはなかったかな。それに対して自分自身不甲斐なさを感じてるよ。
ただ、もちろん諦めてはいない。これからの人間の平均寿命は100年と言われているから、僕にはあと60年もあるし、その間腐っているわけにはいかないな。第一、僕は“挫折禁止”と公言しているから。
だからこそ、今までの経験でネガティブな部分も含めて、「できないことはできない、できることはできる」と考えているし、「できることを実際にやる」ためには、ものすごい努力と先行投資をしなければいけないとも感じている。
正直、それは壮大なことだけれど、未来のために、新しいプロジェクトのために、頑張りたい。改めて言うけれど、リバースプロジェクトは社会を変える仕組みをつくり、その中で生み出す商品を買ってもらうことで、世の中がよい方向に向かうことを目的としている。そのためには、世間の信用を得なければならない。
収穫した野菜の形が小さかったり、変形していたりすることで捨てられてしまう規格外野菜を利活用するプロジェクトを僕たち民間企業が代わりに担っているが、それは本来、公共事業として国がやるべきことだと思う。けれども、こういった事業でも民間企業として利益率が少しでも上げられるのなら、やっていく価値がある。なぜなら、いわゆるゴミとして捨てられてしまうものを人間の栄養に変え、生きる人のために活用できるわけだから。
そういったことを向こう10年はもっとやってソーシャルインパクトを与え、みんなの意識を変えられることをさまざまなジャンルにおいて証明していきたい。そのために、どうすればそれが実現できるのか、どうすれば多くの人の心に響かせていけるのか、解決するための方法を代表として考え実行していきたい。

撮影/田中丸善治 取材&文/Nana Takeda

本編の対談内容は、日之出出版公式ウェブサイトから !

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