ソーシャルキーワードは大人の嗜みなのか?
持続可能な社会システムへの転換が世界的に求められている今、ソーシャル・キーワードはCSR担当者だけではなく、社会人の一般常識に!
REBIRTH PROJECTでは、毎回「話題のソーシャル・キーワード」をピックアップします。
第2回目は「ソーシャル・キャピタル」。
直訳すると、社会関係資本という意味ですが、社会学や経営学など多岐にわたる分野で用いられている概念です。
実際にどのような考え方のことなのか、ソーシャル・キーワードとしてもよく登場する「ソーシャル・キャピタル」を解説します。
ソーシャル・キャピタルとリバースプロジェクト
アメリカの政治学者、ロバート・パットナムの定義によると、
「ソーシャル・キャピタル」とは、人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴であるとされています。
また、「ソーシャル・キャピタル」は、物的資本や人的資本などと並ぶ新しい概念の1つとしても認識されています。
すなわち、社会問題に積極的に関わること、社会や地域での人間関係が豊かであることである、とも言い換えることができるでしょう。
ソーシャル・キャピタルの各要素と市民活動量とは正の相関関係がある*1ともいわれていることから、ソーシャル・キャピタルは地域創生にも必要な概念となります。
例えば、リバースプロジェクトトレーディングが行なっている「愛媛シルクプロジェクト」などは、ソーシャル・キャピタルの概念を取り入れたプロジェクトです。
愛媛シルクプロジェクトから生まれたSILMORE
かつて世界一の絹製品輸出量を誇った日本。
養蚕業は近代化を支える産業として大きく栄えていましたが、化学繊維の普及・農業人口の減少などにより、大きく衰退しました。
愛媛の養蚕業も大きな影響を受け、今では数軒の養蚕農家たちが残されるのみですが、彼らは今もなお、昔と変わらぬ高い品質を保ち続けています。愛媛シルクを世界に届け、復活させたい。SILMOREには、そんな願いも込められています。
(中略)
一般的に繭から生糸になるのは、繭全体のわずか17%。
それ以外のものは、捨てられるか綿などの低付加価値品として流通させるしか方法がありませんでした。
しかし昨今の技術進歩により新たな用途開発が進み、繭をより効率的に利用できる可能性が広がっています。 もし全てを利用することができれば、一つの繭を無駄なく、有効に活用できます。
そんな想いから、廃棄されてしまう運命にあった繭を利活用するために生まれたSILMOREシリーズ。
水溶性タンパク質が豊富に含まれ、保湿力に優れている上に紫外線吸収力や抗酸化作用があるといわれるシルクのタンパク質をスキンケア商品の成分などに活用しています。
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*1 出典:コミュニティ機能再生とソーシャル・キャピタルに関する研究調査報告書(内閣府経済社会総合研究所編 平成17年8月)
(参照:厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011w0l-att/2r98520000011w95.pdf
Writer/ Nana Takeda