“ZERO WASTE” 衣類の廃棄完全ゼロに向けて

2019年、国連貿易開発会議でファッション産業は石油産業に次いで世界で2番目に環境を汚染する産業だと批判を受けました。日本でも環境大臣の「ファッション抜きに日本のカーボンニュートラルを2050年までに実現することはできない」といった発言が話題となり記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。

これまで日本国内のファッションに着目したデータがほとんどなかったことから、環境省はファッション産業が環境に与える影響の調査を行い、今月21日に「ファッションと環境に関する調査」発表しました。

日本国内でごみに出される衣服は年間50万トン以上

日本国内において、可燃•不燃ごみに出される衣服の総量は50,8000t。再資源化されているのはわずか5%ほどで、そのうちの95%である48,4000tがそのまま焼却・埋め立て処分されています。

この数値は大型トラック約130台分の衣服を毎日焼却・埋め立てしている計算です。

製造段階で与える環境負荷

衣類は廃棄に至るまで、すなわち原材料の調達の時点から各段階で環境に影響を与えています。

国内に供給される衣料品の水消費量は83.8億㎥で、世界のファッション産業で消費される水の9%に相当します。これはオリンピックの水泳プール3,000万杯以上に相当する量です。

衣料品生産の多くを新興国での作業に頼っているため、これは結果的に現地の水資源を消費していることを意味します。水資源が豊かな日本ではあまり実感しにくいですが、世界で水道設備がない暮らしをしている人の数は22億人にものぼります。

また衣服を生産するにあたり問題となるのは水資源だけではありません。国内で供給される衣服の製造から廃棄までの工程で排出される二酸化炭素は推計で9500万トンに達することがわかりました。

世界全体で排出される二酸化炭素の10%はファッション産業によるもので、2030年までには50%まで増加するという予測もあります。今回のデータから、世界のファッション産業から排出される二酸化炭素の4.5%に相当する量を日本では排出しており、また原材料調達から輸送までが94.6%を占めていることがわかりました。

生産背景にこだわった洋服を長く大切に

REEBIRTH PROJECTではインドで生まれたオーガニックコットンを日本国内で紡績、編み立て、染色を行うSOUL COOTON

人の命を守るために機能してきたエアバッグやシートベルトを利活用するAIR BACKや、海洋プラスチックごみの半分近くを占める漁網やロープを繊維として再生利用するGNBなど素材にこだわったものづくりをしています。

ファッション業界では、企業が抱える在庫やサンプルなど、着られないまま捨てられてしまう洋服が多いことも事実です。

REBIRTH PROJECTでは完全な廃棄ゼロを目指す一つとして、撮影用や展示用に使用したサンプル品を特別価格でご用意する“ZERO WASTE” 会場をご用意しております。

皆様とともに取り組んでいければと考えておりますのでぜひそちらもご覧にください!

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