「Tokyo Creators collaboration」ってなに?
2020年に東京オリンピックを控えているということもあり、これまで以上に世界から日本が注目されています。
文化や歴史など、日本が世界に誇れるものは多々ありますが、特に、日本の職人が持つ伝統的な技術は世界的に評価を受けていますよね。
今回は、昨年の11月3日〜11月6日にかけて行われた「第34回 伝統的工芸品国民会議全国大会 東京大会」の模様をお届けします!
東京国際フォーラムをはじめ、四つの会場で行われた本大会は、日本の伝統工芸品の粋を集め、その魅力を発信する一大イベント。
リバースプロジェクトは、本大会の目玉企画の一つ「Tokyo Creators collaboration」に参加しました!
「Tokyo Creators collaboration」とは、東京のクリエイターと伝統工芸職人がコラボレーションし、その作品を展示・販売するという企画。それぞれのクリエイターが持つ独自の感性と伝統工芸職人の持つ優れた技術がどのような化学反応を見せるのか、ということが見所です。
リバースプロジェクトは「東京額縁」と「江戸木版画」とコラボレーション!
修理に用いるためにストックされていたものの、使用されることなく眠っていた余材を利用した作品など、額縁は新額堂様に。
木版画を高橋工房様に製作をしていただき、5点の作品が完成しました。
今回はその中からいくつかをピックアップしてご紹介します。
青のグラデーションの額縁「Hiroshige blue」
本作品では、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品に見られる「広重ブルー」をオマージュ。
広重の作品である『東海道五十三次』の「日本橋」に描かれた、深みのある空を額縁で表現しました。
浮世絵の擦り立ての順序(着色過程)は、非常に複雑。
木版画は、色をつけた版木によって紙に一色ずつ着色するので、完成までには数十工程に及びます。美しいグラデーションも、こうした数多くの工程を経て表現されたものです。
こうした着色工程をはじめ、製作には非常に手間がかかる木版画。
上記の二作品では、歌川広重の「東海道五十三次」の「日本橋」の木版画を再現し、その主版摺り(着色の最初の工程)と完成摺りを額縁に収めました。
鏡付きの額縁 「Stand by Monster “Who is the star?”」。
額縁は絵画や写真などを引き立てる役割を果たす一方で、美術品は額縁に収められることで完成し、人々の目に触れます。
美術品と額縁、それぞれの役割の境界線を表現した作品がこの額縁。
額縁の左端の鏡に自分の顔を映すと、まるで額縁が自分に襲いかかってくるような錯覚に陥ります。
芸術の主役は何か、ということを観る者へ問いかける、額縁が持つ芸術性を前面に押し出した作品です。
パラパラ漫画「摺り立て順序フリップブック」
この作品では、歌川広重の『東海道五十三次』より、「日本橋」と「庄野」を木版画で再現。
それぞれ主版摺りから完成摺りまで15ページに渡り着色工程を楽しむことができます。
また、作品の表紙には越前奉書、中のページには阿波奉書を用いるなど、徹底的に日本の伝統的な素材や技術を用い、伝統工芸品の粋を結集しました。
パラパラ漫画のように楽しむも良し、じっくりと1枚1枚眺めて、その着色工程や技術を楽しむも良し…。思い思いの楽しみ方で木版画の技術を堪能することができる作品です。
リバースプロジェクトならでは視点と、長きにわたって洗練され受け継がれてきた
伝統工芸職人の一流の技術が出会うことで魅せた、独自の世界観はいかがでしたか?
作品を通して、伝統工芸品に対するインスピレーションを皆様にご提供できればと思います。
今回の企画は、リバースプロジェクトにとっても伝統文化の魅力を再認識する良い機会となりました。