2008年スイスのチューリッヒで誕生したバッグブランド”QWSTION”(クエスション)。ブランド名には消費者のニーズに対する「Question」を「Solution」するという意味が込められています。
市場に出回るバッグの90%以上が石油由来の合成繊維であることに疑念を持ち自然素材のリサーチをしていた彼らが新しく目をつけたのがバナナでした。台湾の紡績メーカーと約3年間に及ぶ共同開発を重ね、誕生した素材が”BANANATEX®︎(バナナテックス)”です。
薬剤を使わずに成長するサスティナブルな植物
BANANATEX®︎に使われているのは一般的な食用のバナナではなく、同属のアブカという植物です。アブカは化学肥料や殺虫剤を使わずに1年間で3〜4メートル育つとてもサスティナブルな植物として知られています。
また、アブカは耐久性、耐水性に優れ、古くから船舶のロープや紙などに使用されてきました。私たちの身近なところでは日本紙幣の原料として使われており、その繊維含有量は60%とも言われています。
そんなアブカから作られた繊維は丈夫で柔らかくて軽量で、それでいて生分解性もあり、合成繊維に代わる世界初のバナナ由来素材として世界中から注目を集めています。
細部まで徹底したこだわり
QWSTIONのバッグは部品数が最低限になるように抑えられ、また布を裁断する際に切れ端が出ないよう緻密に計算された構造に仕上げられています。その上、アバカ1本で1つのバッグを作るのに対し、製造工程で使用されないのはアバカ全体のわずか1%未満といいます。
バッグのデザインはスイスで行われ、アバカの収穫は主な原産地であるフィリピン、それが台湾の縫製工場で繊維となり、最終的には組み立て、製造が行われます。一工程一工程のトレーサビリティに細かく取り組むのもQWSTIONのこだわりが徹底されている証です。
新作にはBANANATEX®︎を使った新素材も
2021年春の新作では、耐久性が必要なストラップにはそのBananatex®︎を、ファブリックには新素材”Biolight”が使用されています。”Biolight”はBANANATEX®︎をより軽量化するために、QWSTIONの代表的な素材であるEco- PUコーティング オーガニックコットンと組み合わせた新たな素材です。
需要に合わせてバッグの軽量化が進む中で、QWSTIONは石油ベースの合成素材に代わる植物性の代替素材を追究しました。ジッパー、バックル、キーフックを含むすべての金属部品もまたリサイクル可能な軽量アルミニウムで作られているため、全ての部分が生分解可能なバッグとなっています。
新作のバケットバッグはモダンなバケット形状で、物の出し入れがスムーズにできるのが大きな特徴です。リュックやショルダー、トートなど何通りものスタイルを楽しめるQWSTIONらしいシリーズとなっています。