“Take action with ふくしま” 復興と持続可能性

東日本大震災からもう少しで7年が経ちます。当時、リバースプロジェクトは食べ物やストーブなど必要な物資を運びましたが、現在でもリバースプロジェクトができる継続的な取り組みを行っています。

例えば、最近では2017年11月には福島を訪れました。今回は福島県外の企業や団体と連携を深め、福島の復興支援を目指す、福島県主催の「Take action with ふくしま」の一環として、福島の産業や文化施設を訪問しましたので、いくつかご紹介します。

 

■福島の復興と”和綿”の存続

一つ目はいわき市にある「いわきおてんとSUN企業組合」です。いわき市民自ら行う持続可能な地域づくりを実践しており、オーガニックコットンや復興スタディツアー、自然エネルギーなど復興のまちづくりを2011年の準備期間を経て活動をし続けています。

農家の後継者不足という社会課題に加え、東日本大震災により塩害や風評被害から生産者が農業を断念するケースも多くあったようです。それにより遊休農地や耕作放棄地は年々増加しています。その社会課題を解決するために、こちらのふくしまオーガニックコットンプロジェクトは2012年にはじまったそうです。食物ではなく、塩害にも強い綿を有機栽培で育てることで、生産から販売までを行い地域に活気と雇用を生み出すことを目的にし、最終的には福島から新しい繊維産業を生むことを目指しています。

いわきおてんとSUN企業組合が育てているオーガニックコットンは茶色です。これは日本の在来種である「和綿」という品種で、在来種は親から子へ、その子から孫へと特性が遺伝していきます。これは土を汚さずに世代を超えて種として存続していくということで、震災以降の福島で循環する社会を目指すいわきおてんとSUN企業組合の理念と共通していたからだそうです。

和綿は江戸時代の頃は約200品種あったそうですが、明治維新後は繊維が細く均質的なアメリカや中国の綿が選ばれるうになり工業化が進んでいき、昭和の戦後以降はほとんどみられなくなったそうです。現存する品種は30〜40種となってしまったそうですが、和綿を存続させていくためにもこのふくしまオーガニックコットンプロジェクトは重要な意義があるとより一層感じました。

 

■安全な遊び場から世界を目指す教育の場へ

東京電力福島第1原発事故の影響により、福間県内ではこどもたちが屋外で普通に遊ぶことが難しくなりました。そうした状況を変え、こもだちが安全に遊べるようにつくられたのがインドアパーク「CHANNEL SQUARE(チャンネルスクエア)」でした。中では自然の恩恵を受けてスポーツとなっているスケートボードやボルダリングやスラックラインができる環境が整っています。カフェを併設しながら、放射線測定器を常備し遊びながら放射線を測定できるようになっています。

またこの施設の建設・運営をしてきた社団法人F-WORLDの代表である平学さんはプロスノーボーダーであり、チャンネルスクエアではプロのスタッフが指導もするため、11月の福島でもこどもたちはTシャツ1枚で黙々と、時折笑顔を見せながら練習していました。このチャンネルスクエア出身のプロが誕生する日も近いかもしれません。

 

■バリケードに降車禁止エリア

 

道中、福島原発の付近まで通りました。

現在でも帰宅困難区域があり、車で通過はできても地上には降りられない地域。バリケードがはってありその前には警備員。未だに住むことができない地域があります。

 

リバースプロジェクトはこの訪問を更なるきっかけにし、プロジェクトや事業の連携を図っていきます。

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