Inside Punk|挑戦は全部欲張る。もう一つの大事な町をデザインで活性化。

KATHARINE HAMNETTでは、30年以上前から、サステナブルファッションを提唱しており、特に挑戦に向き合う人の内面的な姿勢(Attitude)をPunk精神と捉えています。KATHARINE HAMNETTの代表的なスローガンである「CHOOSE LIFE」のテーマに則り、“Inside Punk”〜挑戦の内面〜を企画。

企画第1回目は、映像、グラフィック制作を行うクリエイティブチームでデザインアシスタントを担当しながら、学生時代から継続してデザインを通じた島根県川本町の活性化に挑む水野ひまわり氏に話を伺いました。

 

Q:今はどのような活動をされていますか?

アートディレクターや映像ディレクター、グラフィックデザイナーが在籍するクリエイティブチームでデザイン系のアシスタントとして活動しています。今はそのチームで分野を問わず、撮影スタッフから、スケジュール管理、立体物の制作やグラフィックデザインなど、色々なことに日々挑戦しています。

仕事で初めて自分でデザインさせていただいたのは、ミュージックビデオで使う、小道具のエナジードリンクのパッケージデザイン制作でした。すごく難しくて、良い物ができるのか最初は正直、自信はなかったけれど、自分にとってすごく大切なチャンスだと思いました。取り組んでみたことでグラフィックデザインという分野に興味を持つきっかけとなりました。

小さい頃から絵を描くのが好きで、美術系高校出身で大学も美大を出て、卒業後は個人で作品を作って販売するという活動をしていました。

現在所属しているクリエイティブチームとの元々の接点はありませんでしたが、このチームが作る作品が好きで追いかけていたところ、ある時チームメンバーの一人のInstagramでアシスタント募集をしており、DMを送ってコンタクトを取ったことが関わるきっかけでした。

昔から、興味があることには自分から飛び込んでいくタイプでしたね。「知りたい、出会いたい」と思った物事や人にはすぐに会うなど、人より少し行動する勇気を持っているかもしれません。

Q:仕事の延長線上でどのようなことにチャレンジしたいですか?

今後は、分野や場所などに囚われずに活動したいですね。グラフィック、イラスト、写真…やりたい分野は正直たくさんあります。職業で言うと、アートディレクションをやっていきたいです。1人で何かを作り上げるということではなく、各分野のプロフェッショナルと協力をして観た人の日常の中で目に留まる面白い物を作れる人になりたいと思っています。

故郷でもない、縁のなかった町の活性化

大学1年生の頃から関わっている島根県の川本町という町があります。その町で、自分の軸にある“デザイン”“美術”という分野を通じて何ができるのかを考えてきました。この町で過去4箇所ぐらい壁画を描く活動をしてきたましたが、これが私のチャレンジの軸に繋がっています。

きっかけは、友人が引っ越した。ただそれだけの理由でした。

川本町は人口3,000人程度のいわゆる過疎と言われる町。この町の好きなところはいっぱいありますが、人を呼び込める観光名所は正直ないかもしれません。

何で川本町なの?とよく聞かれるけれど、行くと感じる、滲み出る魅力というか、目立った名所や旅の目的がないこと自体が、自分にとって未知であり、楽で楽しくて、何もない綺麗さのようなものを感じる町です。

今後何かを新たに作ることも、そのままを維持することもできる。どちらをとっても正解だと、個人的には思っています。

大学時代は、長期休みがあるごとに2週間ぐらいただ滞在して壁画を描いたり、子どもたちと仲良くなってランチをしたり、盆踊りを踊ったり。町中の写真を撮りながら、本当にそこにある生活に溶け込むということをしていました。今でも町に行くと「おかえり」と言われる。いつの間にか、川本町は私にとっても、帰ってきたなと思える場所になっていました。

Q:今後はその町でどのようなチャレンジをしたいですか?

今後は、社会人として、何か仕事・事業として関わりたいと思っています。あえて直接的な表現をするとちゃんとお金を生み出すことをしていきたいです。そして、町が変わっていく様子を写真やデザインで表したいです。

初めて行った時と比べて、町との距離感が確実に変わってきたことを実感しています。写真も溜まってきたので、近々、時系列で町の人たちとの距離感の変化も伝わるような、一冊のフォトブックで表現できたら嬉しいです。

私は、川本町で見た瞬間に大好きになってしまった、石見神楽という伝統芸能を行う「川本神楽団」がいるのですが、デザインや美術を使って介入することで、もっとたくさんの人に見てもらえるようにならないかと考えています。

学生時代から川本町に関わってきた私だからこそ、自分の好きなデザインや美術を使って、未来のための、その町のあり方を模索したいと考えています。

縁もゆかりもなかった町なのに、もう一つの大事な場所になっということは、素晴らしいことだと思っています。

活動を始めたとき、自分の無力さに、自分が自分に物足りないというか、何もできてないジレンマを感じていました。

そのためにも、自分個人としてももっと成長したいのが、今のクリエイティブチームで学んでいるグラフィックデザインや立体物の制作、企画力です。

片方だけでいいというのは嘘。全部欲張るのが私。

世の中には「やりたいことを1つに選びなさい」という人も多いけれど、大変だとしても興味のあることは全部やる方が良いと思います。それで自分はバランスが取れているし、一度欲張ってやってみることで、わかることがたくさんあると感じています。

なので、挑戦心を押さえ込んでしまう人を見ると、もったいないと思います。

友人から相談を受けても、いくら話しても解決しないこともありますが、それは当たり前ですが、言葉だけで共有するのは難しくて、それなら気づけるきっかけを一緒に作ってしまえばいいと思いました。世の中の人みんなに何かを伝えて共感してもらうことはかなり難しいけれど、身の回りの声の届く人に原体験として共有することは私にもできると気づいたからです。

所属しているクリエイティブチームの撮影現場にも友人にお手伝いをお願いして、誘ったりすると、実際に現場を見て体感することで、結果的にその仕事に興味を持つこともあったりして、それは自分もすごく嬉しいですね。

楽しい、直感、それが私のCHOOSE LIFE。

大事にしていることは、本当にシンプルだけど、「楽しい」「好き」と思えるかで選択をすることです。

私も何かしらの言い訳をしてやらないこともありますが、シンプルな理由で物事を選ぶと、自分の人生にとっていい経験ができたり、素敵な人に出会えると気づきました。

直感を信じて判断すること、それが私のCHOOSE LIFEと言えると思います。

世間一般という抽象的な誰かというよりも、顔が見える距離の人たちのため、長い道のりになっても挑戦し続けて、一つずつ自分の目標や夢を叶えていきたいですね。

作ってほしいもの、楽しい企画があれば、ぜひ声をかけて欲しいです!

 

■水野ひまわり氏

1997年8月生まれ。神戸出身。武蔵野美術大学空間デザイン学科卒。クリエイティブチームでデザインアシスタントをしながら、学生時代から継続して島根県川本町に壁画を描くなど地域活動を行う。写真撮影や、ブックデザインなど、分野を問わず個人でもデザインの仕事を請け負っている。

Instagramアカウント

 

■KATHARINE HAMNETT「CHOOSE LIFE」

スローガンをファッションに落とし込み、1980年代から持続可能なファッションを提唱・支持してきたキャサリンハムネット。環境・政治・平和・ジェンダーなど、ファッションを通じて社会にメッセージを発信し続けるデザイナーのパイオニアである彼女は1983年に初めてのスローガンTシャツ「CHOOSE LIFE」を発表しました。数々のスローガンを発表し続ける中で、この「CHOOSE LIFE」が全ての元となっています。1980年代、今は亡きイギリスのミュージシャンwham!のジョージ・マイケルが着用していたことでも知られています。

”FROM LONDON TO JAPAN”

キャサリンハムネットは30年以上前から、サスティナブルファッションを唱え、現在もなお、様々なデザイナーや著名人に影響を与え続けています。サスティナブルファッションの先駆者として、全ての素材は、世界中のオーガニックコットンやリサイクルナイロンなど全て環境に配慮されたものを採用。ブランドの数々の名作をベースに、日本の工場や職人の技術で制作したコレクションは単なる日本製の復刻デザインではありません。ファッションを選ぶ際の選択肢として、これからのモードのあり方をボーダーレスに発信します。

他にも、KATHARINE HAMNETTのアイテムを多数ご用意しております。ご興味のある方はONLINE SHOPをご覧ください。

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