Inside Punk|リングが怖いからこそ。33歳でプロデビューした挑戦者

KATHARINE HAMNETTでは、30年以上前から、サステナブルファッションを提唱しており、特に挑戦に向き合う人の内面的な姿勢(Attitude)をPunk精神と捉えています。KATHARINE HAMNETTの代表的なスローガンである「CHOOSE LIFE」のテーマに則り、“Inside Punk”〜挑戦の内面〜を企画。

企画第2回目は、33歳でプロボクサーとしてのデビュー戦を迎え、恐怖を感じながらも闘う挑戦者、髙橋梨王氏に話を伺いました。

 

Q:今はどのような活動をされていますか?

現在、医療機器のインサイドセールスの仕事をしながら、世田谷区にあるボクシングジム「金子ジム」所属のプロボクサーとしても活動しています。ボクサーのプロライセンスを取得したのは25歳だったのですが、試合には一切出ておらず、2021年33歳の時に初めてプロデビュー戦を行いました。

理不尽な暴力に立ち向かえない自分になりたくなかった

小さい頃からの夢は、プロボクサーかプロレスラーになることでした。ボクシングは25歳の時に一度諦めましたが、30歳を超えてもやっぱり強くなりたいという欲求があって、ボクシングの世界に再チャレンジすることにしました。

強くなりたいと思ったきっかけは、小さい頃に僕自身も理不尽な暴力を受けていたし、友人など周りにも何人も同じ境遇の人がいたことです。「なんだよ!僕が強かったら絶対みんなに悲しい思いをさせないのに!」という思いをずっと抱えていましたね。

もし暴力を解決できなかったとしても、理不尽な暴力に立ち向かえない自分にはなりたくなかった。今でもその原点の想いは変わらないですね。

30歳以上でデビューして王者になる人は世界でも珍しい

K-1、総合格闘技、キックボクシング、日本拳法など、様々な格闘技に挑戦していましたが、プロボクサーになるという夢を叶えるために、そして強くなりたいという欲求を満たすために、30歳を超えてから再チャレンジをすることにしました。

プロボクサーに憧れたのは、辰吉丈一郎さんの自伝を読んだことがきっかけでした。小さい頃は家が貧乏で、ずっといじめられていた。その環境で育ち、身長163cmという小さな身体で世界王者になった。不良のイメージが強かったので、自分と似た境遇だったことが意外でしたが、自分にもできるかもしれないと思えました。

30歳を超えてから戦おうとしている人も珍しいですよね。これは自分自身でも挑戦だと思っています。気持ちを持てば向上できることを、世間にも年齢関係なくやれることを、アピールしたいと思っています。

30歳を超えでプロデビューして、王者になった人は世界的にも珍しいので、やっぱり目指したいですよね。

本当はリングに上がるのが怖い。だからこそ立つ

実は、今でもリングに立つのが本当はすごく怖い。練習は基本の修正の繰り返しなので大丈夫だが、試合やスパーリングで殴り合うのは痛いし、怖い。中には、怖いもの知らずで全く恐れることなくリングに立てる人もいるが、僕はいつもリングに立つ前は、怖くてびびっている。

殴り合えば怪我もするし、強い人にはぶちのめされる。プロスポーツ選手はみんな同じで、勝ち負けがはっきりしている。負ければ自分がやってきたことを全部否定される恐怖もある。試合中は誰も助けてくれないし。

びびっていても、「それに立ち向かって乗り越えられたら自分は強い」と言い聞かせて、まずは自分自身と会話してからやっている。仕事に対しても捉え方は同じ。プレッシャーがかかる大きな仕事を任されたときに、「うわ、できるかな?でも、自分、立ち向かおうとしている」と内面のもう一人の自分と会話している。

僕は怖さをわかった上でリングに立てる強さが欲しかった。びびる自分に負けずに突き進んで戦える自分でありたい。何かあった時に戦えない自分はなりたくなかった。

大事にしている言葉は、“気合い”だ

やりたいことがあるのに挑戦せず燻っていることはもったいない。挑戦は怖いし、失敗したらリスクも背負うことになる。でも僕は、挑戦しないでびびっているよりは、まずはやってみた方がいいし、成長できると思っている。

高校時代にアニマル浜口ジムに通っていた。当時、気持ちが弱いことを浜口会長に相談したところ、“気合いだ”と返ってきた。テレビ等でお馴染みの言葉だけれど、あの言葉の裏側には、「人間にはパワーがある、自分を信じろ。負けてもいいし、やられてもいい。最終的に勝てばいい」というメッセージがある。ありきたりな言葉ではあるけれど、自分の中では、この気合いという言葉は大事なフレーズになっている。

僕は、いわゆるイケている人やお金持ちが言っている言葉は響かない。でも、クラスの端っこにいる人が、胸の内に秘めた思いを、怖いけれど葛藤しながらも滲み出した言葉がかっこいいと思うタイプ。

気合いという言葉も、エリート街道を進んでいる人が言っても伝わらないかもしれないが、僕のような人間が言うから意味があるのかもしれないと思っている。人間は、一人ひとり可能性を秘めていると思っている。考え方ややり方次第で、やりたいことを実現できる。自分で自分自身の可能性を否定するのはもったいない。気合いでやれば、何とかなる。

偽善と言われようが、ファイトマネーの一部を寄付し続ける。

ファイトマネーの一部を、ガンと戦っている子供の施設や、障害者支援施設に必ず寄付している。僕が強くなりたいと思ったきっかけである、子供のころに周りの人たちが理不尽な暴力を受けていたこと。そして、僕の兄は障害を持っているので、障害者施設によく行っていた。そこの子たちの多くが虐待や暴力を受けていた。

「え、助けてくれる人がいないんだ。誰がこの子たちを助けるんだ?」

僕はそう感じたので、少しでもそのような子たちの力になりたいと思って寄付をしている。正直、偽善者っぽいけれど、そう思われたっていい。偽善でも、その子たちが助かっている事実があればそれでいい。

僕が有名になれれば、大きな声で、兄のような障害を持っている方や、病気と戦っている子たちのことを知ってもらい、助けられる輪を拡げられる。「梨王がやっているなら、俺もやろう」という人が一人でも増えたら嬉しい。

障害を持っている子たちの話をする機会が欲しいと思っていたので、今回は本当にこのようなインタビューの機会をもらえて、話せたことが嬉しいと思っています。

■高橋梨王氏

1988年9月生まれ。東京都世田谷区出身。医療システムのインサイドセールスに従事する傍ら、ミニマム級のプロボクサーとして活動。世田谷区金子ジム所属。

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■KATHARINE HAMNETT「CHOOSE LIFE」

スローガンをファッションに落とし込み、1980年代から持続可能なファッションを提唱・支持してきたキャサリンハムネット。環境・政治・平和・ジェンダーなど、ファッションを通じて社会にメッセージを発信し続けるデザイナーのパイオニアである彼女は1983年に初めてのスローガンTシャツ「CHOOSE LIFE」を発表しました。数々のスローガンを発表し続ける中で、この「CHOOSE LIFE」が全ての元となっています。1980年代、今は亡きイギリスのミュージシャンwham!のジョージ・マイケルが着用していたことでも知られています。

”FROM LONDON TO JAPAN”

キャサリンハムネットは30年以上前から、サスティナブルファッションを唱え、現在もなお、様々なデザイナーや著名人に影響を与え続けています。サスティナブルファッションの先駆者として、全ての素材は、世界中のオーガニックコットンやリサイクルナイロンなど全て環境に配慮されたものを採用。ブランドの数々の名作をベースに、日本の工場や職人の技術で制作したコレクションは単なる日本製の復刻デザインではありません。ファッションを選ぶ際の選択肢として、これからのモードのあり方をボーダーレスに発信します。

他にも、KATHARINE HAMNETTのアイテムを多数ご用意しております。ご興味のある方はONLINE SHOPをご覧ください。

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